お知らせ

PM教育の裾野拡大の試み ~早稲田大学基幹理工学部情報理工学科での事例~

2013年07月19日

オンデマンド基本教材「PMはじめの一歩」 ~専門科目「言語処理系」における適用~

背景

早稲田大学基幹理工学部情報理工学科では、知識伝達が主体の講義形式のコースから学生側からの自発的学習が主体のコースに切り替えていく試みの一環として、チームでプログラム電卓を開発するコースを2012年度から開始しました。

コース実施 1年目の経験から、 「グループワークの進め方を理解する」ことの必要性が強く実感され、「プロジェクトマネジメントの基本」を学生が学べるよう、教材の開発に着手することとなりました。

「PMはじめの一歩」の企画

PMI日本支部ではPM教育裾野拡大施策の一環としてこれに協力し、2013年度、PBL型講義に適用できる「仕事の進め方」のオンデマンド基本教材として「PMはじめの一歩」を提供しました。 内容は15分の教材 3コマで構成されており、「チャーターの策定」に始まり、「プロジェクト計画書の作成」から「 日々の進捗管理と完了評価」までをカバーする汎用パッケージを目指した内容の教材となっています。

汎用性を担保するためにレクチャーの例は一般的なものにとどめています。プロジェクトマネジメントのテンプレートが含まれており、学生には作業用テンプレートが、模範解答をテンプレートに記入したものが教師やTA(ティーチング・アシスタント)用に提供することとしました。

実施

今回実施の対象となったコースは専門科目「言語処理系」で、情報理工学科3年の選択必修科目です。コースの達成目標は

①コンパイラの構成法を理解し,簡単な言語処理系が開発できる

②フロントエンドの知識範囲で使えるソフトを作る(プログラム電卓の開発プロジェクト)

③学士レベルのスキルとして社会から要求される「チームワーク機会」を試みる

の3点です。

教材の構成

15分のビデオ教材3本(レッスン1~3)と、補足としての概説・俯瞰ビデオ(最終レッスン) 1本から構成されています。

レッスン1では 「プロジェクトを始めよう」ではプロジェクト憲章、プロジェクト・チームの結成、会議体、ステークホルダーを学びます。

レッスン2では 「計画を立てよう」では成果物構成図(WBS)と作業分解図、ネットワーク図とガントチャート、リスクの予測と対処方法、顕在化したリスクへの対処を学びます。 

そしてレッスン3では 「プロジェクトを管理しよう」で EVM とスケジュール管理、定期報告、完了報告、ノウハウの蓄積をカバーし、

最終レッスン 「プロジェクトマネジメント ステップアップのために」 においてレッスン1~3 の内容を PMBOK® ガイド  の5つのプロセス、9つの知識エリアにマッピングし、さらなる勉学への指標とするという構成をとりました。

結果と今後の展望

途中集計ですが、学生アンケートによると65%が「おおむね理解できた」以上、83%が「適用できた」、そして94%が「今後役に立つか」という質問にたいして肯定的な返答をしています。

学生の成果物(テンプレート)はチームごとに20編提出されましたが、すべてのチームが満足できる水準に達する成果物を提出することができました。

コース責任者の筧教授からは「『PM始めの一歩』 は学生にとっても,そして担当者にとってもはじめの一歩だった。秋のコースにも適用し、来年に向けての見直しを並行して進めたい」という展望をいただきました。 PMI日本支部では 「既存のPBL型コースに『物事の進め方』としてのプロジェクトマネジメント基礎を展開する汎用パッケージとして醸成、横展開したい」と考えています。

コースの様子

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ワークショップ風景: 8人1チームでグループ作業。 時間内に完了しないものは全て次週までの宿題です。

会場風景: 8人1チームごとに机があり、1 部屋に10テーブル、2つの教室を占有して160名が受講します。
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筧教授の授業風景:  言語処理系における字句解析、構文解析、意味解析などの講義を聞いてから、チームごとに作成するプログラム電卓の外部仕様・内部仕様を決めます。

発表風景: 全チームの発表を全員で審査。 トーナメント方式で優勝チームを決定します。

お問い合わせ先 

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