お知らせ

北米LIM(Leadership Institute Meeting)2014 参加報告

2014年10月31日

北米LIM(Leadership Institute Meeting)2014参加報告

10月23から10月25の3日間に渡ってアリゾナ州フェニックスのフェニックス・コンベンション・センター(写真1-a, b)にて開催された北米LIMに参加しましたので、報告いたします。

2014年10月31日
PMI日本支部事務局長
田坂 真一

 

 日本では秋が深まり少々肌寒を感じる季節ですが、砂漠のイメージがあるアリゾナ州フェニックスはイメージに違わず、LIM期間中も日中が35℃、ほぼ快晴でした(写真1-a)。
 外気温は高いのに、空港やコンベンション・センター、ホテルなどの建物内やタクシー、シャトル・バス内は逆にエアコンが効いて(効き過ぎで)涼しいを通りこして寒いと感じることが多くありました。私の場合はジャケットを羽織っていましたが、あちらの参加者にはノースリーブや半袖カッターシャツなどが多く、人それぞれ、色々な人間が集まっているなとの印象です。

1-a.jpg写真1-a LIMの会場(昼) 1b.jpg写真1-b LIMの会場(夜)

LIMとは

 LIM(Leadership Institute Meeting)とはPMIが各国に展開している支部(Chapter)やCoP(Community of Practice:特定のテーマについて学び合うボランティア活動グループ)のリーダー達(日本支部で言えば理事等)が一堂に会して、今後のPMIの方向性や施策についてPMIのトップ・マネジメントやPMI代表理事 [Chair] (写真2-a)から説明を受けたり、分科会に分かれて支部運営などの悩みや改善方法をリーダー達が直接ディスカッションしたりするための集合会議です。参加者は各支部へその結果を持ち帰り、今後の支部運営に適用し改善を目指すことになります。

 今年のLIMのオープニングはホストを担当したフェニックス支部会長の挨拶(写真2-b)で始まり、55カ国、210支部から1,000人を超える参加者のほか、近年試みられているバーチャル参加による219名のリーダー(遠隔地からネットを経由しての参加)で構成された非常に規模の大きな会議でした(写真3)。また会場では、9月現在のPMI会員数、PMP®資格者数、支部数、展開国数なども紹介されました(写真4)。 北米LIMは毎年10月に開催されますが、LIMに引き続いて北米グローバル・コングレスも同じくフェニックス・コンベンション・センターにて10月26日~10月28日の3日間開催されました(別途、参加者から報告を予定)。

2a.jpg写真 2-a PMIトリアノ代表理事のスピーチ 2b-1.jpg写真 2-a PMIトリアノ代表理事のスピーチ 2b-2.jpg写真2-b LIMオープニング
3.jpg写真3: NA LIM参加状況 4.jpg写真4: PMI会員、支部などの状況

LIMの有効活用

 北米LIMなどグローバルから関係者が集まる場は、絶好の国際交流ができる機会なので、積極的にビジネス・カードを交換したり、LinkedIn(プロフェッショナルが利用するSNS)でのつながりを含めたり、情報交換やアイデア出し、アドバイスをする・もらうなどを意識して行っています。
 また、会える機会はなかなか有りませんが懐かしい顔ぶれなどにも出会えます。フランス支部トゥールーズ・ブランチ担当のVPであるジェリー・シュナイダー氏とも久しぶりに再会し旧交を温めました。彼は、今年のPMI日本フォーラム2014の招待講演者であったエアバス社のマーク・ロビンソン氏の招聘の際にお世話になった人物です。また、昨年ニューオルリンズで開催された北米グローバル・コングレス2013では同じく日本フォーラム2014のアカデミック・トラックを担当してくれたPMIディレクター兼PMI EF(教育財団)理事のマイク・ディプレスコ氏の招聘を交渉し実現しました。

 PMI日本支部では、グローバルLIMやグローバル・コングレスなどのグローバル会議でこのような交渉・依頼なども行い時間の有効利用を行っています。

LIMの内容:「アカデミック」テーマの分科会に参加

 さて、LIMのプログラムは配布される小冊子(写真5)に記載されているのですが、サマリーすれば「全体セッション」とテーマごとに分かれてディスカッションやワークショップを行う「研修分科会」で構成(写真6, 7)されています。

 全体セッションでは、ゲスト・スピーカー達による大変力強いスピーチや『エフェクティブ・リーダーになるためには』という題で世界の著名人(ジャック・ウェルチ氏、ビル・クリントン氏、コリン・パウエル氏、ルイス・ガースナー氏、・・・)にインタビューした結果についてのスピーチ(写真8)や昨年度の支部活動を表彰するセレモニーなどがありました。

5.jpg写真 5: LIM案内小冊子 6.jpg

写真6: LIM期間の全体プログラム

7.jpg写真7: 研修分科会の7テーマ 8.jpg

写真8: ゲスト・スピーカーの例

 研修分科会は並行開催されるため、全てに参加することは不可能です。したがって今年の私は、研修分科会テーマのアカデミックを取り上げるトラック(写真9)に集中して参加しました。地方大学の学生や中学・高校生を対象としたプロジェクトマネジメント教育の現状と今後どうあるべきかが積極的に討議され、PMI EF(教育財団)で準備中のアプローチや現状達成レベルをどう評価するかなどのプロセスを記したドラフト・マニュアルを元に更なる充実や改正のためのワークショプに加わりました。
 メキシコ、ポーランド、イタリア、北米各支部での活動事例紹介を元に質疑応答が繰り返され、セッション時間を超過する活況を呈していました。参加者の皆さん、学生へのPM教育に対する関心はとても高いように見受けられました。

 日本でもジュニア世代へPMの考え方を教えることや、大学でのPM公式カリキュラムの導入を目指して活動を継続していますが、最新状況を見聞きするにつけ、特にイタリアでのジュニアへの教育プログラムとしての提供度合や、北米での若い世代へのPM教育活動はかなり進んでいるようです。
 セッション・リーダーのケート・ダンカン女史によれば、当ドラフト・マニュアルはさらに整備されPMI EFから来年入手できるようになるとのことです(セッション終了後、まだ未公開ということで資料は没収されました)。

9a.jpg写真9-a:アカデミック分科会風景 9b.jpg

写真9-b: 高校生へのPMキャリア紹介

 この領域のテーマは奥が深く、日本支部でも海外支部の活動情報を今後も入手しつつ、ロング・レンジでフォローしていく必要があると思っています。

PMI日本支部からの活動報告・方針説明

 毎年の恒例行事として北米LIMや同コングレス参加に合わせて行っているのが、グローバル視点に立ったPMI日本支部の本年度の活動中間報告と次年度活動方針の説明会です。
 会議は、10月25日(土)にコンベンション・センター内の会議室で開かれました。これによって、ここ数年PMI日本支部は活動費をPMIからGOC(グローバル・オペレーション・センター)サポートの補助費用として受け取って活動しています。 この説明会には、奥澤会長と私が説明サイドとして、また、PMIサイドの聞き手やレビューワーとしてPMI AP(アジア・パシフィック)の支部開発を担当しているマネジャーのほか、スタッフ1名の計2名が参加しました。
 PMI日本支部の活動については、他の多くの支部に比較してかなり高い評価がなされていること、来年度もGOCサポート予算は日本支部に割り当てられる予定であるとの言質を得ました。
 今年までのグローバル視点活動と異なり来年度は、ここでは述べませんが、3つのカテゴリーの活動に重点を置いて欲しいとの要望が出されました。PMI日本支部としても、支部活動充実方針と合致しているので可能な限り対応をしていく予定です。

PMBOK®ガイド  第6版翻訳に向けての改善要求

 今年は例年と違い、もう一点についてPMIと10月26日(日)に同じくコンベンション・センターの会議室にて会議を持ちました。
 議題は、PMBOK®ガイド 第6版の翻訳プロセス改善要求です。約2年後の2016年後半にPMBOK®ガイド 第6版英語版が出版されると思われますが、第3版、第4版、現在最新の第5版と日本語翻訳については多くの改善されるべき点が出ていましたが、次期第6版にまで持ち越したくないとの強い意志で臨みました。また、日本語訳だけではなく、PMIのブックストアで入手可能な10か国語の翻訳チームを代表するつもりで多くの改善要求を出しました。
 日本支部からは奥澤会長と私、PMIからは先ほどのAPにおける支部開発2名とVPでブランド・マネジメント担当のシンディー・アンダーソン女史(写真11)です。もともと北米LIMやコングレスではPMIの要人達は大変忙しいため、このような会合の開催は難しいと思っていましたが、この会議設定にはAP2名の強力な調整活動によって実現しました。

 個々の内容については触れられませんが、第6版の日本語版を「早く」、「品質良く」出せるようにかなり厳しい要求をしました。この要求については、フランス、韓国、ドイツなどからもサポートを貰っています。会議で、即答は期待できませんが、これまで限界があったメールのみでのやり取りでなく、直接面と向かって要求したことで、持ち帰って十分検討し結論する旨の回答を得ました。

企業活動の年度表彰式

 最後に26日の19:00より今年のプロジェクトや、個人、企業活動の年度表彰式があり出席しました。
 多くのカテゴリーで表彰がありましたが、Corporate/Government/Association Categoryで「PMI CONTINUING PROFESSIONAL EDUCATION PROVIDER OF THE YEAR」としてIBM社が選出され、日本支部の法人スポンサーである日本アイ・ビー・エム株式会社の水井悦子女史(写真12, 13,14)が受賞されました。
 毎年発表される表彰に日本企業が選出されることは非常に少なく、日本人として大変うれしく思うと同時に、「おめでとうございます」と心より申し上げたいと思います。 見ている人はちゃんと見てくれているということの証でした。

11.jpg写真11: 左2人目はアンダーソンVP 12.jpg写真12: 表彰された水井女史
13.jpg写真13: 表彰式プログラム 14.jpg写真14: 最下段がIBM社 受賞内容