お知らせ

2015 PMI Taiwan International Congress に参加して

2015年12月04日

台湾の基隆市で、2015年11月21日、22日の2日間、2015 PMI Taiwan International Congress   が開催されました。参加してきましたので概要を報告いたします。

2015年12月04日
PMI日本支部理事
除村 健俊

 

基隆市は台北市から東に電車で1時間ほどのところにある海岸に位置しています。コングレス会場は、国立海洋科技博物館(National Museum of Marine Science and Technology: NMMST )で行われ、参加者は約200名でした。

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会場の前で

初日 11月21日

初日(11月21日)の午前中は、PMI台湾支部の年次総会が開かれました。表彰式や会計報告、理事・会長選挙などが続き、会長が2代目のDr. Simon Fu から3代目の Mr. William Chenに引き継がれることになりました。

午後からコングレスが始まり、台湾チャプター会長のSimon氏によるオープニングスピーチ、 国立海洋科技博物館 館長のあいさつ、基隆市 市長のあいさつが行われました。

そして、2015年度EPBA (Enterprise Project Management Bench Marking Award) の表彰式が行われ13の企業・政府関連の組織が表彰され、さらに、UBP (University Project Management Best Practice Award) として5つのプロジェクトが表彰されました。

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会場の様子

その後、3つの招待講演がありました。

最初はPMI理事会Mr. Steve DelGrosso 議長による「Talent Management: A Strategic Imperative」という講演であり Talent Strategy の重要性を強調していました。Talent Strategyを考慮したプロジェクトの成功確率は高く、HRとラインマネジャーのコミュニケーションを密にし、HR Strategy とCorporate Strategy を連携させることが重要であること。さらに、タレントを見るためには IQ(Intellectual Quotient) だけでなく、EQ(Emotional Quotient), AQ(Adversity Quotient) が重要であること。そして、PMスキルを変革するタレント・トライアングルの話につなげていました。私も人事を担当していたことがあり、人材の重要性について納得できるものでした。

2番目の講演は、国立台湾大学の李鴻源教授による「Global Climate Change ? Integration, Coherence and Governance (Taiwan Experience)」という話で、データも豊富で、実際に担当した事例に基づく話であり大変興味深いものでした。台湾は、台風、地震、津波、洪水、 干ばつなど非常に自然災害の多い国であり、特に、台湾は降雨が高い山岳地帯から短い長さの川を流れ下るため流れが急であり、治水が重要である。この対策のために地域住民を巻き込んだ検討を行いボトムアップで実施をしてきた。これらの事業により、住環境が大きく改善し、住民の経済活動により、投資しした額よりもはるかに多くの価値をもたらしている、という講演でした。最後に質問に対する回答で、講演者が「プロジェクトマネジメントを学んだことはありません。プロジェクトマネジメントはコモンセンスです。」と答えると、私も笑いましたが会場からも笑い声が起こっていたのが印象的でした。

3番目の講演は、台湾チャプターの創設者であり、前会長であったDr. Barry Hsiungによる「Reach the Crest of Project Success ? Salient Soft Skills Lead you there」というものでした。講演の中で、仕事やキャリアも成功の15%はハードスキルから、85%はソフトスキルから来るということで、1番目の講演とも相通じるものがあり、興味深いものでした。

2日目 11月22日

2日目は6つの分科会が行われましたが、私は英語で行われる第3会場の International Session に出席しました。

その中で奥澤会長が「Now and Future of PMIJ」として発表されました。現在支部が中期計画で取り組んでいる機構改革などについてです。内容は省略しますが、質問が3つ出ましたので記しておきます。

  • 1つは政府の調達にPMP資格が入札条件となりPMP資格の増大に寄与したと思うがPgMP資格を増大させるために何か対応をしていますか?
  • 2つ目は日本支部で行われたリーダーミーティングの話に関連して、他のチャプターとビデオ会議等により検討会を開催することを考えていませんか?
  • 3つ目は企業会員を増やすためにどのような方法をとっているのですか?

と言うことでした。(リーダーミーティング LM2015については、PMI日本支部ニューズレター vol.64(2015年 秋号)をご覧ください)

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奥澤会長への感謝状贈呈

日本からも、マネジメントソリューションズの 後藤年成さん と野村証券の ロサリンダ・べルナベさんの発表がありました。後藤さんの会社はカンファレンスのスポンサーとなっており、台北に会社を設立したばかりです。「How to Analyze Your Project Management Maturity」 という演題で発表されました。

べルナベさんはフィリピン出身で日本に長く住んでいるとのことです。「Global Economic Mega-trends and Project Management Skill Sets」について、マクロの視点からの見解を展開されました。

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発表する後藤さん

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ベルナベさんへの感謝状贈呈

カンファレンス全体を通して、カンファレンスのガイドブックの冒頭には台湾の総督や多くの政府関係者があいさつを寄せていたことが印象的でした。また、会場には企業関係者が多数参加していました。

これらのことから、台湾ではプロジェクトマネジメントが企業や国家発展の基盤として、企業や国に認知され、台湾チャプターは政府と企業との結びつける役割を担っているように感じました。

一方、日本は経済成長の成熟化に伴いプロジェクトマネジメントに対する認知が低下してきているように感じます。

GDP も若干マイナスとなっている中で、再び GDP 600兆円を目指すためには、PMIJ はプロジェクトマネジメントと人材育成を国家戦略として位置づけられるように動くべきではないかと感じました。

今回の参加により、Chapter9(日本、台湾、香港、韓国、モンゴル)の各国PMI関係者と交流を深めることができただけでなく、台湾の状況だけでなくアジア全体に視野が広がったことは、大きな成果でした。

以上