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PMI日本支部 関西ブランチ「あかね創生工房」(第1回)開催報告

~ 災害復興をテーマにしたデザイン思考の体験型ワークショップ ~

 2017年2月に東京で開催して好評を博した『ソーシャル・デザイン思考実践』のワークショップを2017年11月11日に大阪で開催しました。参加者はPMI日本支部会員が9名、一般参加が3名の計12名で、さまざまな知見から深い議論をすることができました。その概要を報告します。

PMI日本支部 関西ブランチ PM創生研究会代表 山添 晃

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2017年11月11日(土)10:10~17:00 (大阪市立総合生涯学習センター)

はじめに

 主催は関西ブランチのPM創生研究会です。主な活動としてPMIタレント・トライアングルの向上と社会貢献活動として社会にプロジェクトマネジメントの重要さ、楽しさを伝え、効果的なツールの提供を行っています。
 私たちは、社会環境、市場、技術が日々変化を続ける今の時代において、現場の声やアイデアに関する仮説、実行、検証サイクルをより高速で回転(デザイン思考)し、問題解決に向かうアプローチは、社会課題のみならず、プロジェクトの実行管理の場で非常に有効だと考えました。そこで、ソーシャル・プロジェクトマネジメント研究会と連携して災害復興をテーマに体験しながら、デザイン思考を基礎から学べるワークショップを開催しました。

講義の様子

 午前の講義では、ソーシャル・プロジェクトマネジメント研究会の石塚講師から、ソーシャルPM手法開発の経緯に始まり、社会課題をデザイン思考で解決するためには『人間中心のアプローチである』、『顧客(困っている)人々に焦点を当てる』、『インサイトを見極める』の3点が重要であるとの説明がありました。
 続いて、『ソーシャル・デザイン思考 7つのステップ』から困っている人々の活動[=木]もつかみ、ソーシャル活動[=森]を大きく見ること、『意図を感じる』、『森を知る』、『声を聴く』、『インサイトを共有する』の4ステップの手法が解説されました。
 午後の講義は、『アイデアを創出する』、『道を構想する』、『道を作る』の3ステップの手法解説でした。
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講演の様子

 講義内容についてさらに理解を深めていただくため、『町民の視点でまちづくりの復興計画を立案する』をテーマに、2チームで、以下の手順にそって演習に取り組んでいただきました。
  1. ステークホルダーを洗い出し、価値交換を定義する
    町役場や住民などから主要ステークホルダーを洗い出し、情報、感情、お金、もの、時間の流れを図化しました。
  2. 欲求を洗い出し、欲求の構造を分類する
    Aチームは事業による復興を、Bチームは生活環境の改善による復興を欲求の中心に選び、欲求の構造を分類し、バリューグラフや2(自力・他力)×2(利己・利他)の欲求マトリックスの手法を使って、価値連鎖を作成しました。
  3. インサイトを共有し、3つのゴールを定義する
    受益者の視点で共通に得たい結果(エンドゴール)、どんな町でありたいか(ライフゴール)、エンドゴールからライフゴールへ繋げる感情(エモーショナル・ゴール)をまとめました。
  4. アイデアを創出してグルーピングし、アイデアを評価する
    3つのゴールからブレインストーミングなどの手法を使ってアイデアを創出し、そこから未来に繋がる画期的なアイデアを創出する為、発想したアイデアをグループピングしてアイデアを評価しました。 
  5. コンセプトを定義する(道を構想する)
    評価したアイデアからチームの人気投票で有効なアイデアグループを選定して、3つの組み合わせから、ベストソリューションについてまとめました。
  6. コンセプト提案・発表
    Aチームは、地域特性を考慮した産業の復興による町づくりをテーマに、Bチームは災害に強く若者たちが永く住みたくなる魅力的な町づくりテーマにコンセプト提案を行いました。
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参加者の声

  • 社会貢献を実践して行く予定で、そのアプローチの仕方が参考になりました。
  • 自分が担当するプロボノ・プロジェクトの構造を捉えておけば、ヒアリング情報を元に、自信を持ってプロジェクト進行をサポートできると思いました。
  • 誰と誰がどんな価値のやり取りがあるのか、誰がどんな要求を持っているのか、ステークホルダーが多くなるほど複雑になる構造を、ツールで可視化できることが解りました。
  • 共通のゴール(目的)を共有する上でパワフルな良い手法だと思いました。
  • デザイン思考という解りにくい考え方に対して、ワークショップで実際に体験することで、理解が深まった。
  • 出席者と深い議論ができ、色んな感じ方や理解の仕方が聞けてよかった。講座も交流会も学びが多く、刺激的な一日になりました。

終わりに

 ワークショップ終了後に記念撮影をし、近くの居酒屋に場所を移して9人で交流会を開催しました。石塚講師を囲んで感想などを活発に意見交換するなかで、次回のワークショップについての企画や提案もあり、たいへん盛り上がりました。

 PM創生研究会は、関西を中心にPMが学べる場を創設し、ソーシャルPMだけでなく、若手PMの育成といった活動も推進していきますのでご期待ください。

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