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【アカデミックNL#8】第一回アカデミック/スポンサー会議開催報告

第一回アカデミック/スポンサー会議開催報告

教育国際化委員会では新たな会議体として「アカデミック・スポンサー会議」を 11月3日に開催しました。

会議には教育国際化委員会から5名、アカデミックスポンサーから8名、PM教育研究会から4名、計17名が参加し、活発な議論が展開されました。

以下にその概要を報告します。

1. イントロダクション

2017年11月3日 (金) 、東京都中央区のPMI日本支部で、PM教育関係者、民間実践者が集う新たな意見交換・交流機会として「第一回アカデミックスポンサー会議」を開催した。

① 開催趣旨

PM教育に取り組む教育関係者、民間実践者との意見交換・交流機会を作り、国内におけるPM教育の普及促進に寄与する。

② 開催概要

日時:2017年11月3日(金)
ディスカッション   :13:00~17:30
交流会                     :17:30~18:30
場所:PMI日本支部 3Fセミナー室

③ 当日の議論テーマ

1)イントロダクション
2)PBLプログラム連携
3)共通教材検討
4)産学連携
5)全体総括

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会議中の様子 その1

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会議中の様子 その2

2. 参加者

教育国際化委員会から5名、アカデミックスポンサーから8名、PM教育研究会から4名、計17名が参加(運営メンバー除く)。

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参加者の興味エリア

3.(個別テーマ①)PBLプログラム連携

PBLを実践している教育関係者から、事例紹介と他大学との連携及び単位の扱いについて情報共有された。

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PBL事例紹介 その1

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PBL事例紹介 その2

 

小林先生(愛媛大学)

enPiT第一期として中四国の大学院生を対象として、連携型PBLを夏休みに開催。単位認定はなく各大学の科目として扱われている。
別の学校からの移動旅費はenPiT予算から出ている。
教育者が参加者を選定。事前事後に評価(IPA産学連携教育・評価標準、ルーブリック自己診断)を実施。学部・院生の混成チームで、そのチーム分けには鷲崎先生のFFS理論を活用し、個人特性を数値化してチームの差が広がらないようにしている。
学生の能力を高めることが目的、卒業研究・修士研究と異なり、成果物の評価はしていないが、参加者の満足度は高い。

内海先生(仙台高専)

国内各地にある高専のあいだで防災や農業ICTを含めて50程度実施されている。
それぞれの高専で科目があり、総合・創造のような名前を付けた科目にて実施される。
移動には費用が掛かるため基本的にビデオ会議。
大きな助成金の申請は一緒に実施している。
学徒仙台コンソーシアムで共通科目をやっている。どこがホスト校になるかは予算があるCOCプラスを使っている。

脇谷先生(広島修道大学)

海外へ2週間のインターンシップとして広島市立大学と連携して、IPAや広島県の補助を受けて実施していた。
助成金カットで実施が困難になった。
国内で予算を下げてできないか検討している。
PBLで学生に経験が与えられたらいいと思っている。

三枝先生(就実大学)

コンテスト形式でビジネスプランを作成し優秀チームを選ぶ。
4月~6月の3か月間はチームで準備させ、具体的な議論とコンテストを夏に二泊三日で実施する。
チームが同じ目的に向かうと、助け合うのでランゲージバリアは大きな障壁ではない。

芳賀さん(PM教育委員会)

国際PBLを北大(講義+ケーススタディ)・慶応(講義のみ)で実施している。
工学系でプロジェクト経験があっても、日本人は発言ができないため英語力は課題である。
グローバルPBLは色々なハードルが高い、国内での疑似経験を得られる実績がある。

4.(個別テーマ②)共通教材

PMIではPM教育の拡大として、PBLで使うためになるPM教育の基礎の基礎として、PM始めの一歩 (15分x4) 、PM次の一歩 (15分x6) 、PMI Teach (カリキュラムガイドライン、200ページ) がある。その点を踏まえてPMの共通教材に対する各先生のご意見を伺った。

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共通教材

内海先生(仙台高専)

課題に応じて求められるものが異なっている。Guilfordの知能構造モデルについて資料を説明頂いた。”07_20171103_創造性_v1.pdf”

上西先生(大阪大学)

創造性を重視し、プロジェクト教育については、座学で徐々にプロジェクト憲章・要件定義・WBSを教えている。

飯島先生(慶應大学)

学生には単位取得・卒論・修士研究、学術的な貢献から、プロジェクトを身につけてほしいと考えているが、PMBOKを講義では教えていない。学生のスキル向上に対して学ぶべき学術的な知識が増えているため、PBLを実施する余裕がない。

三枝先生(就実大学)

3年時にPBL (2単位) を実施しているが、プロジェクトマネジメントは含めていない。
伊熊先生が2日間の講義で、90分・6講義で以前は、プロジェクト憲章・WBS・リスク管理などを教えていたので、基礎知識はある前提で実施した。共通教材としては、自主学習用の教材-例:文語本-があるといいなと考えている。

加藤先生(金沢工業大学)

学生がスケジュール管理できず、スケジュールの先送りや半徹夜をしている状況。そのため基本として、WBSや進捗管理・課題管理等プロジェクトマネジメントの必要性を教えている。小さなプロジェクトでは課題と問題を分ける必要がないので一つの管理表で何をいつまでにやるかを明確にしている。共通教材として、プロジェクトマネジメントの便利ツールなどがあるとよい。

小川先生(中部大学)

プロジェクトが何かということが共通基盤になっておらず、何もないのと一緒である。学生側の問題もありMBAコースで方法論を教えても、粒度の問題や成果・経過がむずかしい。簡単にWBSが理解できる共通教材があるとよい。

中西さん(PM教育研究会)

プロジェクトマネジメントはプロジェクトを管理するだけではなく日常でおきるイベント、例えば学園祭にプロジェクトの定義が使える点の説明が必要。座学だけではダメで、講義とケーススタディの組み合わせで基礎理論を理解する形が推奨される。

小林先生(愛媛大学)

PMBOKを例えば、就職活動等の小規模なもので適切な時に使える人材を育てたい。
ロジカルシンキングを異なる教員が1年次で教えていて、教員側から卒論等に活かすように促している。
同様にプロジェクトマネジメントも山口大学が日立インフォメーションテクノロジーと一緒に作った教材を使っている。

伊藤さん(PMIEF担当)

PMAの本に対して子供の行動変容が起きたフィードバックがある。

脇谷先生(広島修道大学)

PMI日本支部から提供している「はじめの一歩」をベースに使っている。教えることの全体像を見せる事前学習に使える。

山戸先生(法政大学)

経営診断実習及び修士論文の研究にプロジェクトマネジメント及びITコーディネーター資格を履修の基盤のスキルとしている。プロジェクトマネジメントのエリアとしては、モニタリング・コミュニケーションを活用している。学生のレベル格差があるため、チームで活動を行うのに、人的資源、ステークホルダーマネジメントの理解が必要となる。人としての成熟度UPをベースとして、目標管理やPDCAなどを教えている。はじめの一歩シリーズは今後見せてもらって、使えそうだったら使いたい。

酒森先生(産業技術大学院大学)

PMBOKは世界の標準だが、一般の学生に対しては共通の理解が浸透していないため、プロジェクトマネジメントの共通理解が必要。またPBLの実施にはプロジェクトマネジメント能力が必要だがイコールではない。加えてIT、セキュリティ等、各分野の専門能力が前提となってくる。

井上先生(芝浦工業大学)

 2年次の必須として、ステークホルダー・スコープ・タイムを実施している。3年次には、プロブレムベースドラーニング、プロダクトマネジメント、システムエンジニアリングを必須にしている。

5.(個別テーマ③)産学連携

研究開発、人材育成、地域創生等に関する産学連携の可能性について意見交換した。

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産学連携

  • 産学連携は、人材育成、enPIT、研究発表の場である。
  • 金沢工業大学では、地域の市との共同プロジェクトでマラソン大会を1年かけて実施。プロジェクト管理が欠かせない。
  • 広島修道大学では、地域連携のプロジェクトの実施にプロジェクトマネジメントの考え方を抑えてもらいたいため、共通教材のパッケージを使っている。
  • 企業は採用視点でいることがあり、ボランティア・人材・労力として見られる。その為、学生の力ではなかなか成果を出せず境目が難しい。何を学んでほしいかを明確にする。
  • 大学は教育の場を得ることが目的だが、企業は人材を見つけたい。その為、大学側でマネジメントや企業に対する目利きが必要。
  • 産業技術大学院大学には、産業界からプロジェクトマネジメントを学びに来る。
  • 生涯学習としては文科省方針で、社会人枠が増えている。社会人向けの公開講座等もある。
  • 東南アジアの先生は学位をアメリカ・イギリスではなくオーストラリアの大学で取っている。産業がないマレーシアでも同じ戦略である。オーストラリアは鉄鉱石・羊・高等教育で外貨を獲得している為、連携できる産業に乏しい。日本が勝つには産業界の連携しかないと考えていて、産学連携が死活問題になっている。

 

6. 総括

PMI日本支部への期待することと現状について、意見交換をした。

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PMIへの要望

  • PBLの指導方針が知りたい。
     *世の中が変わると過去の経験は古くなるため、PBLをやるにあたってレビューの仕方、PBLの指導方針をPMBOKで整理して欲しい。
  • 学生が受け入れられる課題が欲しい。
     *文系の場合、ゼミで使えるような事例が欲しい。
  • PMメンタリングとして、マイルストーンだけでも見て欲しい。
  • PM教育のケース、ティーチングノートを作って欲しい。
  • 文科省職員へ認知を広めてほしい。
     *プロジェクトマネジメントを知らない、教えられる教員が少ない為、各大学文科省のカリキュラムに組み込む等で重要性を示しては?
  • enPIT等の文科省事業案件への共同申請の可能性はないか?
  • 研究課題を学生ができるレベルにブレイクダウンするのが難しい。
     *社会人基礎力、評価、自己の成長が気付けるようなフィードバックは?
  • PMIテンプレート使っているが企業が知らない為、プロジェクトマネジメントを知らない企業向けのエントリー教材、フレームワークを提供して欲しい。
  • 現場経験者のPBL講師派遣を派遣して欲しい。
     *PMI登録講師制度を活用して欲しい。
  • 中小企業向け教育助成金が欲しい。
  • 意識の高い中小企業を紹介して欲しい。

7. 交流会

会議終了後も活発な意見交換が実施され、盛況な交流会となりました。

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交流会の様子