トピックス

PMIのグローバル教育活動

 

PMIではグローバルなネットワークを活かした教育研究活動を実施している。

以下では、

  1.  大学教員や学生を対象としたアカデミック・プログラムとリソース
  2.  PM教育プログラムの質保証のための認定機関GAC
  3.  プロジェクトマネジメントによる社会貢献を目的に設置された教育財団 PMI Educational Foundation
  4.  各国チャプター(支部)による教育機関へのPM教育支援活動

に関し紹介する。

PMI日本支部 教育国際化担当理事

1. PMIのアカデミック・プログラムとリソース

  • PMIでは、大学教員を対象とした、PM教育研究のためのリソース(Academic and research resource for faculty and scholars)をPMITeach.org [1]で、公開している。
    教育に関してはカリキュラム・ガイドライン、ケース等を提供している。また、研究発表の機会として、Project Management Journalを発行している。
  • また、学士、修士、博士のPM教育研究のための奨学金を用意している[3]。

2. PM教育プログラム認定制度 GAC

  • PMIは、教育プログラムの認証機関Global Accreditation Center for Project Management Education Programs (GAC) [2]を設置している。対象は、学士、修士、博士プログラムであり、PMの学位を授与するプログラムだけでなく、PMに関連するビジネス、工学、建設、IT等の学位プログラムも対象としている。
  • GACの認定を受けることで、その教育プログラムが継続的な改善を実施していること、および教育の質が保証されていることを対外的に示すことができる。また、GAC認定プログラムを持つ各国大学とのネットワークが活用できる。

 (参考) GACに関連する日本語資料

3. 教育財団 PMIEF

教育財団、PMI Educational Foundation(PMIEF)[3]は、1990年にPMIとは独立した財団として設置され、PMI、企業、個人からの寄付金等で運営されている。

“Project Management for Social Good.” (プロジェクトマネジメントによる社会貢献)を目的に、PM教育の支援活動やPM教育に関する奨学金、表彰などの活動を行っている。

PMIEFやPMI支部が作成したPM教育の教材がPMIEFのサイト[3]から入手できる。

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図1. PMI Educational Foundation(PMIEF)受賞者の講演
(PMI Global Congress North America, Sep. 25, 2016.)

PMIEFのCore Strategic Goalは、以下の3点である。

  • PM READY WORKFORCE (PMの準備ができた職業人育成) Build a better-prepared workforce through academic and professional development scholarships as well as student and professional awards.
  • PM KNOWLEDGEABLE YOUTH(PM知識とその適用により若者の学びと未来を変える) Change the way children learn, live, and plan for the future through knowledge and application of project management
  • PM CAPABLE NONPROFITS(PMの適用による非営利団体の強化) Magnify the power of nonprofits and Non-Governmental Organizations (NGOs) in delivering their missions through the application of project management.

PMIEFには世界で178名のリエゾンが存在しており、PMIEFと各チャプター間との連携を担当している。

PMIEFのサイトでは、初等・中等教育機関向けのPM教材を英語、日本語などの多言語で無償提供している[3][4]。

4. PMIチャプターの教育機関支援 Academic Outreach

PMIの各国のチャプターでは、PMの実務家がボランティア活動として教育機関への支援(Academic Outreach)を実施している。

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図2. PMI 各国チャプターのメンバーが教育機関への支援活動の経験を報告
(PMI Leadership Institute Meeting 2016—North America, Sep. 24, 2016.)

PMIの支部のメンバーが教育機関への支援活動を行う際の10のヒントが、以下のように提示されている。

「社会貢献プログラムを成功に導くためにチャプター・リーダが共有すべき10のヒント」(The Top Ten Chapter Leader Share Tips for Managing a Successful Social Good Program) [5]

  1.  Incorporate social good programs into chapter planning and align with chapter services. (チャプターの活動と社会貢献活動を連携させる。)
  2.  Connect with PMIEF & utilize PMIEF tools. (PMIEFや各国のチャプターと連携のためリエゾンを選任する。PMIEFのリソース、無料のカリキュラム、ケーススタディを活用する。)
  3.  Start small. (少しずつ拡大し、持続可能なプログラムの構築を容易にする。)
  4.  Create member value. (チャプター内のボランティアに社会貢献プログラムに参加することで、コミュニティに貢献し、PDUも獲得できるメリットを伝える。)
  5.  Identify willing partners. (地域の学校やNPOとコネクションを持ったチャプターメンバーやボランティアを探す。)
  6.  Consider appropriate means of funding programs. (社会貢献プログラムをチャプターの予算化する。地域の組織が資金を提供してくれる場合もある。)
  7.  Create a network of volunteers to support social good programs. (トレーナー育成プログラムを作り、プログラム参加者が自立し、自分自身でプログラムを継続できるようにする。)
  8. Communicate your success. (プログラムをチャプターのニューズレターに掲載し、PMIEFのメンバーに伝える)
  9. Address area for improvement. (参加者やボランティアからフィードバックを集め、将来のプログラムに活かす)
  10. Recognize volunteers. (ボランティアの活動を認め、チャプターから表彰する)

チャプターのボランティアが生徒や学生に直接PMを教えるだけでなく、PMを教育できる初等・中等・高等教育機関の教員を育成するための活動” train the trainer”をすることが必要である。これにより、教育機関が自立して、PM教育を持続することができ、さらに多くの初等・中等・高等教育機関にPMを普及させることができる。

5. 情報活用のお勧め

参考文献に記載した、各サイトから、プロジェクトマネジメント関するカリキュラム、教材、認定用のための資料などが入手できる。ぜひご活用いただきたい。

参考文献

[1] PMI® Academic Network, https://pmiteach.org/, 参照日:2016-12-29.
[2] Global Accreditation Center for Project Management Education Programs (GAC) Project Management Institute,http://www.pmi.org/global-accreditation-center, 参照日:2016-12-29.
[3] PMI Educational Foundation, http://PMIEF.org/, 参照日:2016-12-29.
[4] 井上雅裕,泉田浩二,泉澤聖一,富樫晃,十返文子,永谷裕子, プロジェクトマネジメント中等教育に関するPMI日本支部の調査, 工学教育 (J. of JSEE), Vol.60, No.4, pp.123-128, July 2012. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsee/60/4/60_4_123/_article/-char/ja/, 参照日:2016-12-29.
[5] The Top Ten Chapter Leader Share Tips for Managing a Successful Social Good Program, PMI Leadership Institute Meeting 2016--North America, Sep. 23, 2016.