トピックス

PMBOK®ガイド 第5版紹介シリーズ 第1回 イントロダクション

PMBOK®ガイド  第5版 紹介シリーズ
第1回 イントロダクション

PMBOK® 委員会
鈴木 安而

あなたのプロジェクトはうまくいっていますか?

 自信をもってYesと答えられる人はほとんどいないのではないでしょうか。プロマネといわれる人だけでなくリーダーやメンバーでさえ、さまざまな問題を抱えて四苦八苦している様子が目に浮かびます。
 
 「仕様が決まらないからWBSを描けないし、作業スケジュールだって決まらない。当然コストだって算出できていないのに、予算と納期は決まってしまっている。どうすればいいんだ!」とか「メンバーはやる気がないし、上の連中は“いい物を安く早く作れ!”しか言わないし、トラブルは続出するし、これでは高品質なんて考えられない!」などなど、言い出すとキリがありません。
 
 でもこれって他責でしょうか。プロマネは「できて当たり前」のように“責任”を問われますが、独自性があり有期的な仕事の進め方にはさまざまな困難が待ち受けていて、目標を簡単に達成できるものではありません。いったいプロマネの仕事ってなんでしょうか?これに応えるのが「PMBOK®ガイド 」です。 

PMBOK®ガイド  の役割と歴史

 PMBOK®ガイド  は、さまざまな産業におけるプロジェクト運営の共通点を見出し優れた実務慣行を集めて体系化したガイドブックです。「他ではどうやっているんだろうか?」とか「仕事の進め方の標準的なガイドはないだろうか?」という問いに答えるために、米国のプロジェクトマネジメント協会(PMI)が中心となって世界中のプロジェクト実務家が協力して作り上げた図書で、プロジェクト運営のための実務書です。
 
 プロジェクト目標を達成するための概念や知識および運営方法を一般に「プロジェクトマネジメント知識体系(Project Management Body of Knowledge)」といいますが、その解説書が「PMBOK®ガイド 」で“ピンボックガイド”と読みます。「マネジメント」とは管理を含む運営全般のことで、目標達成のための手法をうまく活用し「プロセス」として定義された個々の仕事を計画・遂行・管理する活動をいいます。
 
 1996年に第1版が刊行されて以来4年ごとに改訂され、現在は第5版となっていて英語以外には10ヵ国語に翻訳されて利用されています。したがって、参加者全員の共通認識が重要なグローバル・プロジェクトには必須のガイドブックといえます。
 
 プロマネの実力を証明する資格として「プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(PMP®)」が制定されていますが、PMBOK®ガイド  を中心とした知識と実力が問われる試験に合格して取得できます。今や世界中の標準的な資格として採用され60万人以上の方が取得しています。ちなみに現時点では、日本人はおよそ3万人、中国では約7万人の資格者がいます。

PMBOK®ガイド 第5版の特徴

PMBOK®ガイド  第5版は2012年12月に発行され、以下の4点が改訂の主な特徴です。
  1.  PMBOK®ガイド  にはマネジメントや管理の対象として「知識エリア(マネジメント領域)」が定義されていますが、第4版まで9つだったものがひとつ増えて10に拡張されました。(ステークホルダー・マネジメント領域の追加)
  2.  2012年9月に発表されたプロジェクトマネジメント国際標準であるISO21500に整合させるための書換えが行われました。
  3.  一般に「ナレッジ(知識)マネジメント」として知られた知識の蓄積と活用のための活動が採り入れられました。
  4.  近年ソフトウエア開発プロジェクトで採用されるようになった「アジャイル」の概念が採り入れられました。

以上

PMBOK5Jc.jpg

当連載の他の記事へのリンク

  第1回 イントロダクション
  第2回 ISO21500について
  第3回 ステークホルダー・マネジメント
  第4回 ナレッジ・マネジメント
  第5回 アジャイル型ライフサイクル
  第6回 プログラム、ポートフォリオ
  第7回 スコープ・マネジメント
  第8回 タイム・マネジメント
  第9回 リスク・マネジメント
第10回 統合マネジメント
第11回 PMBOK®ガイド は使えるのか
第12回 PMBOK®ガイド 拡張版