中学生がビジネス判断力を学ぶ!!

理事 除村健俊

芝浦工業大学附属中学高等学校では,中学3年生を対象にサイエンス・テクノロジー・アワーという授業が実施されています。この授業では燃料電池,バイオテクノロジーなど,科学技術を学ぶ授業に加え,チームでモノづくりのための教育として,プロジェクトマネジメント(PM)演習も正規の授業の中で2010年から毎年実施されています。中学校でPMを学んでいる事例は少ないと思います。この正規の授業を、PMIの有志が協力し支援しています。

芝浦工業大学附属中学高等学校のホームページ
https://www.fzk.shibaura-it.ac.jp/

PM演習の様子

このPM演習では、紙飛行機製作プロジェクトを通して、コミュニーケーションやチームワークを学んでいます。さらに、2022年からは、機体コストや制作時間に対する人件費など、コストを導入しました。その結果、品質(飛行距離)とコストのバランスをどうとるか複雑なビジネス判断が必要とされるPM演習となっています。

PM演習の中で、生徒は飛行距離や調整時間の影響する機体の選択や、機体製作の効率化などコスト削減方法など、議論を戦わせながら活動をしており、ビジネスの疑似体験をしています。また、演習後の活動報告では、機体製作やコスト削減の工夫点や、何を考えてビジネス判断をしたかなど、中学生とは思えない的確な思考過程を発表しています。このPM演習を通して生徒は、思った以上にビジネス判断の思考を経験しており、このPM演習はPMの基礎を体験から学ぶことに加え、ビジネス判断力を経験するのに適する演習であると考えています。

このPM演習の成果は2023年のPMI日本フォーラムで発表しました。視聴者から以下のようなコメントがありました。

  • PM教育が一般化し、全ての社会人のスキルとして普及すれば、あらゆる産業への良い影響が期待できる、可能性を感じた。
  • PM教育はすなわち生きる力を身につけること、とのことで共感いたしました。
  • このような教育を受けている学生がうらやましかった。
  • これからの時代を生き抜く子供たちにとって、プロジェクトマネジメントのスキルを身につけることは大切だと思うものの、いつ始めたら良いのだろう、と思っておりました。やり方を考えれば、中学生でも理解し、学ぶことができる具体例を伺うことができ、非常に参考になりました。
  • これまでイメージしていなかったテーマでの講演、非常に意義深いものと感じました。

この活動について、下記の芝浦工業大学附属中学校のインスタグラムに掲載されています。
ps://www.instagram.com/shibaurafuzoku/p/C3UqFYMLDR3/?img_index=1

 

活動の詳細は、PM研究報告に書かれていますので、以下のJ-Stageのリンクをご覧ください。
PM研究報告 Vol.4 中学生のビジネスセンスを磨く!

 

また、この教育の自校での実施に興味がある方や、この活動に参加したい方は下記にご連絡ください。
PMI日本支部事務局 info@pmi-japan.org

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