第4回勉強会(2026年6月6日)の議論の様子(概要)です

こんにちは
PMBOK®セミナー・プログラムの西山です。本日は2026年7月1日です。
早いもので、すでに今年の折り返しに来てしまいました。今年はこうして勉強会を開催できており、忙しい中にも充実した日々を送ることができているような気がします。

今回は、第4回勉強会の様子をお伝えします。

PMBOK®第8版の「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド」第1章「はじめに」、第2章「プロジェクトマネジメントのパフォーマンス領域」、2-1「ガバナンスパフォーマンス領域」をテーマにした第4回勉強会の記録です。

1.PMBOK第8版の位置付けと「完全な」フレームワーク

第8版は、第6版のプロセス思考アプローチと第7版のパフォーマンス領域を組み合わせ、より実践的で「完全な(Complete)」フレームワークを提供することを目指しています。ここで語られる「完全な」とは、完璧という意味ではなく、「一通り必要な要素が揃っており、抜け漏れが少ない」というニュアンスであると整理されました。また、第6版の知識エリアは「プロセス群実務ガイド(PGPG)」へと引き継がれ、プリンシプルベースの第7版とプロセスベースのPGPGの2冊を合わせて第6版の後継とする構造になっていることが確認されました。

2.パフォーマンス領域への再編と解釈

第6版の「10の知識エリア」と、第8版の「7つのパフォーマンス領域」の関連性についても議論されました。公式なマッピングのソースは存在しないものの、「知識エリアがパフォーマンス領域へと集約・再編された」と解釈できるという認識が共有されました。例えば、「コスト」から「財務(Financials)」への名称変更は、単なる支出管理ではなく、投資に対するリターンや価値を重視する姿勢の表れであると捉えられています。また、調達や品質などの専門的な領域については、PMが直接管理する範囲の変化に伴い、本文の主要な章から付録(付属文書)へと再配置されたことが指摘されました。

3.ガバナンス・パフォーマンス領域におけるリスクと品質の扱い

ガバナンス・パフォーマンス領域において、「リスク」と「機会(オポチュニティ)」が並記されている点について検討されました。本来リスクにはプラスとマイナスの両面が含まれますが、あえて分けて記載することで、脅威の回避だけでなく機会の活用を強調する意図があると推測されました。また、品質管理の計画がスコープ定義に関連付けられている点については、「要求事項を定義しなければ品質マネジメントは成立しない」という実務上の論理に基づいていると整理されました。

4.測定とフィードバックの基本コンポーネント

効果的なガバナンスのための3つのコンポーネントが検討されました。具体的には、(1)プロジェクト目標とメトリクス(指標)の設定、(2)状況を把握するためのアラートシステム、(3)意思決定と学習のためのフィードバックの仕組みです。測定して終わりにするのではなく、その結果を次のアクションや改善に繋げる一連の流れが不可欠であるとの認識が共有されました。

5.テーラリングと自己ガバナンスの解釈

適応型(アジャイル)プロジェクトにおける「軽量なガバナンス」という表現に疑問が呈されました。ガバナンスの形態は開発手法によって一律に決まるのではなく、プロジェクトの特性に応じて調整されるべきものです。自己ガバナンス(責任の分散)というモデルであっても、プロセスを正しく機能させるためには、実務上の「厳格な規律」を持って自律的に動くことが不可欠であると議論されました。

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