リーダーシップ・ミーティング2022(LM2022)結果報告

2023年01月17日

PMコミュニティ活性化委員会 石井 真

 リーダーシップ・ミーティングは、戦略委員会のひとつ、PMコミュニティ活性化委員会(委員長 杉原秀保理事)が中心となって企画・運営しています。PMI日本支部(以下「日本支部」)の各部会(委員会、研究会、プログラム)から、リーダーやアクティブメンバー2~3人に参加いただき、今後のPMI本部や日本支部のビジョンや方向性、施策などを共有したり、参加者のリーダーシップ育成を目指したワークショップを行ったりすることで、よりアクティブな部会活動を促し、PMコミュニティを活性化させるのが目的です。
 2022年のリーダーシップ・ミーティング(LM2022)は9月3日(土)に開催しました。当初オンサイト開催として計画を進めたものの、開催時期が新型コロナウイルスの再拡大と重なったため、参加者の安全を考慮し、急遽オンラインに切り替えての開催となりました。部会メンバー37人、会長・理事・監事22人(内、運営グループ2人)、PMIアジア・パシフィック2人、事務局3人の合計64人が参加し、活発な意見と議論が交わされました。

 日本支部は2023年に創立25周年を迎えることから、LM2022では「来年創立25周年を迎えるにあたりこれからの課題を考えよう」をメインテーマとしました。

オープニング

 オープニングの端山会長のご挨拶では、他の支部の会員数が伸び悩む中、日本支部の会員数が順調に増加し5,600名を超え世界第2位の規模になったという嬉しいニュースの共有と、さらなる発展に向けての提言をいただきました。
端山会長

基調講演

 続く基調講演では、PMIアジア・パシフィックのチャプターエンゲージメントマネジャーである、イェユン・キムさん(Yeyoon Kim)からPMI戦略についてのスピーチを頂戴しました。イェユンさんは出張のため当日は録画でのご参加となりましたが、同じくPMIアジア・パシフィックから、シティさんが参加され、質疑応答などに対応くださいました。
 PMI本部では支部支援策としてCo-develop/Co-create/Co-executeをスローガンに、支部エンゲージメントプログラムConnect/Enable/Empowerを実行しており、支部同士や本部とのネットワークを繋ぐConnectを実行する各プログラム、会員支援を目的としたEnableを実行するイベント支援策や支部活動を支えるツールThoughtSpot、最後にEmpowerでは支部活動のサポートとなるハウツーやトレーニングをプレゼンテーションいただきました。後半では日本支部向けの具体的な支援活動やAuthorized Training Partners(ATP)プログラムをご紹介くださいました。継続的な支援策とバックアップ体制から、日本支部がPMI本部にとっても重要な位置づけであることを再認識することができました。
Yeyoon Kimさん
 次に、日本支部25周年担当理事でもあり、4年前の日本支部創立20周年プログラムではプログラム・マネジャーを務められた浦田副会長から、次期中期計画と25周年記念プログラムについてご説明いただきました。
 2023年から2025年の中期計画では、個人のライフステージに応じた価値の実現、プロジェクトマネジメントの有用性の伝播がサイクルとして好循環するよう取り組むという、中期計画の基本方針が共有され、それに向けた3つの課題、魅力ある価値の提供、社会での認知度向上、迅速な意思決定とタイムリーな施策実現についての具体的な施策が紹介されました。各施策は対象が明確化されており、項目ごとに番号づけられ、推進主体となる委員会も明確になっていることから、実現に向けて具体的に動いていることを強く感じました。25周年記念行事については、20周年が日本支部のこれまでの集大成として位置付けられたことに対し、25周年は単年で終わることのないこれからの新しい施策を開始する契機とすることが説明され、LMのワークショップでの施策検討に対する期待が表明されました。
浦田副会長

ワークショップ

 2022年のワークショップのファシリテーターは慶應義塾大学大学院SDMの当麻哲哉教授にお願いし、石井がサポートさせていただきました。午前中に終わりに、セッション0と題して、2022年のLMで使用するホワイトボードツールMIROに慣れていただくためとアイスブレイクを目的とするセッションを実施しました。AからHに別れた8グループ(討議メンバーは各6~7人)の各グループ内で、メンバーの自己紹介となるキーワードを付箋に記載し、グループで考えた二軸によって作成された図の該当する箇所に貼付した付箋により、グループ分析を可視化しグループ内の交流をはかりました。ファシリテーター
当麻教授
サポート
石井
  午後はいよいよワークショップでの討議と発表です。2022年のLMの見どころは、スキットと呼ばれる短い演劇を使って討議結果を発表するグループの取り組みでした。スキットによるストーリー仕立ての発表は参加者の共感を呼び、例年になく大いに盛り上がりを見せました。 発表の最後に参加者全員によるZoomの投票機能により、若者向け(Z世代やアカデミック)を対象としたGグループのZ世代を取り込むための提言が最優秀賞、シニア・エキスパート向け(セカンドキャリアなど)を対象としたHグループのシニアPMコミュニティ設立の提言が優秀賞となりました。2つの対照的なテーマがそれぞれ多くの投票を獲得したことが大変印象的でした。 セッション終了後には、森田公至理事から各グループへの労いのお言葉と、具体的で即実行可能なアイデアも多かったとの講評をいただきました。

ネットワーキング

  ネットワーキングはZoomのブレークアウト・セッションを使ってランダムにグループに分け、リモートで開催されました。当初オンサイトでの開催を目指していたこともあり、ネットワーキングの参加者からは、やはりオンサイト開催を希望する意見が多数出ました。一方で、遠方からの参加や健康上の理由からオンラインを望む声も根強く、ポストコロナのイベント開催の難しさを痛感しています。 今後、ますますのイベント活性化が望まれる中、2023年は日本支部25周年にあたることにも鑑み、参加者のデマンドに対してチャネルを明確に分けた開催方式の検討なども検討していこうと考えています。
 2023年のLMにご期待ください。