表面上には現れていない、根本的な問題点(インサイトと言います)を捉えることにより、解決に導くことができます。
ソーシャル課題に関係するステークホルダーにはいろいろな立場の人がいます。一つの課題に対しても、立場によってその捉え方、解決の方向性について異なる期待を持っていることが少なくありません。そういう状況の中で解決策の要望を聞いても、バラバラな意見が出てきてなかなか合意が取れません。多数決で決めてしまうわけにもいきません。
関係者のさまざまな要望の奥にある共通の思いは何でしょうか。言葉になって出てこないこともあります。それをどうやって捉えられるでしょうか。
ソーシャル・デザイン思考の肝になるところです。
インサイトという言葉は、マーケティングでよく使われる言葉です。例えば、消費者インサイトというのは、消費者の購買行動の背景にある潜在的欲求を言います。最近は良いものを安く作れば売れるという時代ではなくなったと言われます。ものが有り余っていて欲しいものがないという状況になって、これまでのようなマーケティング調査をしても的確な答えが得られないということです。
そういう状況の中で新しい商品、新しいビジネスを考えるとき、消費者の本音を引き出す手法が必要です。もともとは文化人類学などで行われていたエスノグラフィーや商品・サービスのユーザーモデルとしてペルソナを用いるなどが盛んになりました。
ソーシャル課題についても表面的に見ていたのではわからないような物事の真実を見抜くことが必要です。 (手法の詳細は、別途、ソーシャルPM実践ワークショップなどで説明します。)