【開催レポート】対面で深まる連携と熱気!「アカデミックスポンサー・カンファレンス 2026」を開催しました

2026年8月22日(土)、慶應義塾大学 日吉キャンパス 協生館にて「アカデミックスポンサー・カンファレンス 2026 ~対面で深める連携と学生エンゲージメント~」を開催いたしました。

昨年の対面再開に続き、今年は前年の倍増となる46名の皆様にご参加いただきました!高校・大学・大学院の教育関係者をはじめ、企業の実務家、さらには意欲溢れる学生・生徒の皆様が一堂に会し、朝から夜の懇親会まで終日活気のある議論と交流が繰り広げられました。


開催の様子

こちらの動画をご覧ください。

カンファレンスのハイライト

本プログラムは、産学連携や最新トレンドを網羅した4部構成で実施いたしました。
プログラムの内容
https://pmi-japan.eventos.tokyo/web/portal/426/event/16562

開会・教育国際化委員会の取り組み概要

午前中のセッションでは、教育国際化委員会委員長の除村氏からミッション、以下のような2026年の活動実績、今後の予定が報告されました。 委員会はPM教育普及を掲げ、全国54校のアカデミックスポンサーと連携しています。
2026年は芝浦工大附属中への貢献に対する感謝状受領

J-Stageでの「PM研究報告」公開(累計16.8万アクセス)、
APAC Student CompetitionでのAPU 3位入賞、

STEM Racing国内大会の支援、

広島修道大でのビジネス提案研修、

愛媛大との連携協定締結 などを達成しました。

今後は日本予選検討やHuman Library準備、2027年の研究報告Vol.7発行などを予定しています

第1部:パネルディスカッション「教育におけるAI活用」

急速に進む生成AIの教育現場への導入について、山口大学の大島直樹先生、ラーニングツリーインターナショナルの髙山尚久氏、PMI×AI Ambassadorの武上弥尋氏にご登壇いただき、PMI日本支部副会長 当麻哲哉氏のファシリテーションのもと熱い討論が行われました。 「AIを単なる回答機ではなく、いかに人間の思考や判断力を高めるパートナーとして使うか」といった本質的な議論に対し、参加者からは「AI活用への向き合い方に大きな気づきを得た」との声が多く寄せられました。

1.バイブコーディングは、新しい“モノづくり”である

登壇者: 山口大学 大学院技術経営研究科 教授 大島 直樹 氏

主な実施・講演内容: 生成AIとの対話を通じてソフトウェアや教材を構築する「バイブコーディング」を新たなモノづくりとして定義し、大学院での4つの実践事例を紹介。学生自身による会計エンジンの実装、講義音声の文字起こしデータを活用したNotebookLMでの反論型ディスカッション環境の構築、技術ロードマップ策定、既製ハードとAI APIを組み合わせた「観て・聴いて・話す」研究用対話機械の開発事例を報告。AI開発が進むほど「人間が要件を定め、出力を検算・検証する力」が不可欠になると論じた。

2. AI時代に求められる教育の再設計 ~米国Learning TreeのAI Adoption Framework / 日本で求められるAI研修~

登壇者: ラーニング・ツリー・インターナショナル(株) 代表取締役 高山 尚久 氏

主な実施・講演内容: 米国の「AI Adoption Framework」を基に、AI導入を単なる学習で終わらせず組織の業務成果へ繋げるための3段階(連携・活性化・実証)のプロセスを解説。日本企業におけるAI研修のニーズが「基礎教育・ガバナンス整備(導入初期)」から「役割別実践・プロンプトソン(活用拡大期)」、さらに「要件定義・人間力・概念理解の再学習(高度活用期)」へと深化している現状を報告した。AIの出力を正しく評価・統制し、価値に変換できる人材育成の必要性を提示した。

3.Co-Intelligence時代の「学び」進化論 ~ AIが答える時代、人は何を学ぶのか ~

登壇者: PMI×AI Ambassador 武上 弥尋 氏

主な実施・講演内容: AIを単なるツールではなく思考パートナーとして捉える「Co-Intelligence(共生知能)」時代の学びの構造変化を解説。PMIが提唱する「3Aモデル(Automating:自動化 / Assisting:支援 / Augmenting:拡張)」に基づき、タスクの複雑度に応じた人とAIの協働デザインを提示した。知識の暗記や正解の探索から、適切な問いの設計・判断・最終責任の保持へと学習者の役割がシフトすることを示し、人間ならではの倫理観・共感・リーダーシップを育む教育の重要性を強調した。

PMI日本支部 学生の次の一歩をつなぐPM教育

午後の開始は、PMI日本支部理事の藤井氏より、学生の成長導線「知る・体験する・学ぶ・つながる・育つ」に沿った施策が示されました。
実務家が体験を語る「Human Library」は地域連携型へ再設計中、知識習得には上位資格へ繋がる「CAPM®」取得を推進しています。さらに学びを継続する「Student Club」の立ち上げや、アイセック・ジャパンとの連携事例が紹介されました。
最後に、教育機関や産業界へはプログラムへの協力・参画を、個人へは委員会メンバーへの参加を呼びかけました。

第2部:教育機関での事例報告

中学校・高校から大学に至るまで、多角的なPM教育の実践事例5件が発表されました。

1. トレンド・次世代型プロジェクトマネジメントの挑戦

発表団体 / 登壇者: Todoroki Racing(Devクラス優勝チーム)

    獨協高等学校 木原正継氏、広尾学園高校 馬 裕尭 氏

テーマ: STEM RACINGへの挑戦とプロジェクトマネジメントの実踐

主な実施・講演内容: 中高生チームがわずか2か月の準備で「STEM RACING Japan National Final」総合優勝を果たした事例を発表。マシン開発だけでなく、資金調達・広報・日程・組織運営を横断管理した実践を報告。時間差や役割の競合といったチーム内の葛藤を乗り越えた経験と、次世代支援を目指す「Todoroki Racer Academy」構想を提示した。

2. 高等教育・学校経営におけるPM実践と組織変革

発表機関 / 登壇者: 茨城県立竜ヶ崎第一高等学校・附属中学校 校長 太田垣 淳一 氏

テーマ: From Operation to Value Creation ~自分自身を変えられない組織が、「世界を変える人材」を育てられるのか~ 主な実施・講演内容: 不確実性の高い時代における「価値探究型学習」への転換と、学校経営の変革を提唱。従来の計画・履行型PMから、協働で価値を創出する現代型PMへの進化を解説。年間100超の探究プロジェクト運営や起業型部活動を通じ、学校組織を前年踏襲から動的なポートフォリオ経営へと移行させた取り組みと、AI時代のリーダーシップ像を提示した。

3. 社会課題解決に向けた大学院博士課程と実務の融合

発表機関 / 登壇者: 愛媛大学大学院 アドバンストソーシャルマネジメント(ASM)学環 丸山 智子 氏

テーマ: 社会課題を「プロジェクト」で解く ~実践と理論をつなぐ、新しい博士課程~(令和9年4月設置予定)

主な実施・講演内容: 現場の課題解決と学術分析を融合し、変革手法を体系化する新たな博士課程構想を発表。自ら変革プロジェクトを実践・検証して論文化するカリキュラムにより、社会を動かすリーダーを育成する。教員2名とPMコーディネーターによる3名体制の伴走支援や、PMI日本支部との連携によるPMP保有者等の外部専門人材活用スキームを解説した。

4. 大学教育における対人能力・リーダーシップ育成

発表機関 / 登壇者: 北海道大学大学院 情報科学研究院 講師 Kenji Haga 氏

テーマ: プロジェクトマネジメント パーソナルスキル特論

主な実施・講演内容: PMIタレントトライアングルに準拠した対人スキル・リーダーシップ育成講座の実践例を紹介。ステークホルダー分析、動機付け、コンフリクト管理、グローバル交渉術までをカバーする4週間の実践演習プログラムを解説。チーム牽引や合意形成に必要な「パワー・スキル」を学生へ定着させる講義構成と学習成果を報告した。

5. 学術研究・博士人材育成におけるAI活用とマネジメント

発表機関 / 登壇者: 岡山大学 副理事・副学長・上級URA 佐藤 法仁 氏

テーマ: AI for Scienceにおける博士人材の育成とマネジメントの模索

主な実施・講演内容: 博士人材育成の国策背景と、科学研究における「AI for Science」の潮流を解説。研究でAIを積極的に使う学生と、信頼性検証に直面する指導者側のギャップを提示。安全なデータ環境の整備やプロンプト履歴の管理など、AI時代の新たな研究管理・学位取得プロジェクトマネジメントの試みと課題を共有した。

第3部:共催ワークショップ

慶應義塾大学大学院SDM研究科 附属「教育システムデザインラボ」の沢井和也氏をお迎えし、「システムデザイン思考をプロマネ教育に取り入れ社会課題解決のアイデアを創出」と題したワークショップを開催しました。 異種のバックグラウンドを持つ参加者同士がチームを組み、対面だからこそ生まれる偶発的なアイデアや熱量溢れるディスカッションが展開されました。

第4部:懇親会

キャンパス内の別会場で行われた懇親会には、多くの講師・参加者がそのまま出席されました。セッションの熱気を引き継ぎつつ、学校間の情報交換や企業と教育機関の新たな連携に向けた話に花が咲き、最高の締めくくりとなりました。

参加者の声(アンケートより抜粋)

事後アンケートでは、各セッションの質の高さに加え、「対面ならではの繋がり」に対する非常に高い評価をいただいております。

「大学1年生ですが、現在の研究や教育の最前線を知れる素晴らしい機会でした。またぜひ参加したいです!」(大学1年生)

「対面ならではの交流やネットワーク構築が図れる素晴らしいカンファレンスでした。今後も学生の参加促進を期待しています。」(参加者)

「中学生・高校生にあれだけの環境を与え、PMを活用させているのは驚きでした。彼らがどんな大人に育っていくのか本当に楽しみです。」(参加者)

「多様な方々のお話が一気に聞けて非常に濃密な一日でした。来年の更なる発展も楽しみにしています!」(参加者)

おわりに

今年のアカデミックスポンサー・カンファレンスは、まさに「PM教育の未来を拓く」ための熱い熱量と対話に満ちた一日となりました。ご登壇いただいた講師の皆様、ご参加いただきました皆様に心より御礼申し上げます。

教育国際化委員会では、今後も教育機関と企業の架け橋となり、学生のキャリア形成やPM教育の発展を支援する取り組みを推進してまいります。来年の開催もどうぞご期待ください!

教育国際化委員会

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