1975年の創業以来、株式会社エスシーシーは半世紀近くにわたり、情報サービス産業の発展と共に歩んでまいりました。私たちは創業以来、お客さまにとって真に価値のあるものは何かを問い続け、「Quality First」を理念の一つとして掲げています。そして、その理念をただの言葉で終わらせることなく、社会の基盤となる金融や交通といったミッションクリティカルなシステムを、長年にわたり安定稼働させるという数多くの実績をもって体現し続けてきました。
また、特定の企業系列やハードウェアベンダーに属さない独立系システムインテグレーターであることも、私たちの大きな特徴です。この独立性により、常にお客さまのビジネスにとって何が最適かという視点から、特定の製品や技術に縛られることなく、公平かつ最適なソリューションを提案・構築することが可能です。社会が複雑化し、お客さまの課題が多様化する現代において、この柔軟性こそが私たちがお客さまに提供できる価値であると考えています。
当社の事業は、それぞれが専門性を持ちながらも有機的に連携する、三つの柱で構成されています。
私たちの事業の中核をなすのが、お客さま固有の課題解決に向けたオーダーメイドのシステム開発です。特に、クレジットカードの決済システム、鉄道の運行管理、カーナビゲーション、電子決済システムなど、万が一にも停止が許されないミッションクリティカルな社会インフラ領域において、豊富な実績と深い知見を蓄積してきました。企画・提案から設計・開発、そして導入後の運用・保守に至るまで、ライフサイクル全般をワンストップで支援し、社会の安定と発展に貢献しています。長年にわたる経験で培われた高度なプロジェクトマネジメント能力と品質管理体制が、お客さまからの高い信頼につながっています。
システム開発で培った高度な技術力を結集し、お客さまの多様なニーズに応えるとともに、社会の発展に貢献するソリューションを幅広く開発・販売しています。
「標的型攻撃メール訓練サービス:Trapfeel」は、業界に合わせたメールテンプレートによる訓練と専門家によるアドバイスによって、一人ひとりのセキュリティ意識を向上し、経営リスクを低減することができます。
学習の質を高めるための「学習支援サービス:まなりぴ」は、AIと対話し自身で説明することによって、より深い「復習」をすることができます。未来を担う子どもたちに「実践的なプログラミング教材:プログリンク」を提供しIT人材の育成に貢献しています。
私たちは、社会課題に向き合い、日々ソリューションの創出に取り組んでいます。
私たちは、従来の請負型の開発モデルに留まることなく、お客さまと事業パートナーとして共に歩む「コラボレーション事業」を推進しています。これは、お客さまの新規事業構想に対し、私たちが持つシステム開発のノウハウや技術力を提供し、リスクとリターンを共有しながら事業を共に創造していく「レベニューシェア方式」のビジネスモデルです。単なる開発会社としてではなく、お客さまの事業成功に深くコ
ミットする真のパートナーとして、新たな価値創出を目指しています。
最大の強みは、eDCグループが一体となって推進する「産・学・研」の連携体制です。グループ内の教育機関である北海道情報大学や電子開発学園(IT専門学校10校)「学」との産学連携により、IT業界の最新動向を踏まえた実践的な教育を受けた人材が、毎年安定的に入社します。これにより、IT人材の獲得競争が激化する中でも、質の高い人材パイプラインを確立しています。
また、研究機関である北海道情報技術研究所「研」との共同研究開発を通じて、AIやセキュリティといった最先端技術をいち早く事業に取り込み、技術的な競争優位性を維持しています。そして、私たちエスシーシーが「産」として、この教育と研究の成果をお客さまへの価値提供へと繋げる役割を担っています。この独自の循環モデルこそが、私たちの成長の原動力です。
現在、私たちは「プロジェクトマネジメント」と「事業形態」そのものの変革を目的とした中期DX戦略(2023-2025)を推進しています。
この戦略は、「プロジェクトマネジメント支援AIシステムの構築」「人財開発支援スキームの構築」「企業アライアンスによるコラボレーションビジネスの開始」という三つの重点施策から成り立っています。
専門性を持つ多様な人財の育成を加速させるため、各部門で求められるスキルと社員一人ひとりの特性を結びつけ、キャリア形成を支援する「人財開発支援スキーム」を構築しました。
また、デジタル化を目指す企業とレベニューシェア方式で提携し、新規事業を共創する「コラボレーションビジネス」を積極的に展開することで、従来の受託開発モデルからの進化を図っています。
そして、これら戦略の中核を担う最重要施策が、「プロジェクトマネジメント支援AIシステム」の開発です。これは、長年のシステム開発で社内に蓄積されたプロジェクトの知見やデータを、一元的に管理・活用するための挑戦です。
このシステムの最大の特長は、プロジェクトの計画と実績をA Iが分析し、計画からの乖離を評価する点にあります。A Iは進捗の遅れや品質の低下といった兆候を早期に検知し、潜在的なリスクを提示します。また現在のプロジェクト状況や今後の対応策についてA Iに質問することもできます。このマネジメントサポートAIにより、経験の浅いマネージャーであっても、熟練者の知見に基づいた適切な初動対応が可能となり、プロジェクト品質の平準化と向上を実現します。
さらに、このシステムはPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)の業務も変革します。リスク確率が一定のしきい値を超えたプロジェクトのみを自動で抽出し、PMOにアラートを発信。これにより、PMOは全プロジェクトを常時監視する膨大な工数から解放され、本当に支援が必要な高リスク案件への早期介入と対策支援に集中できるようになります。
私たちエスシーシーは、これからも社会インフラを支える確かな技術力と、AIをはじめとする先進技術を活用したプロジェクトマネジメントの革新を両輪に、お客さま、そして社会と共に未来を共創してまいります。